労働条件と労働環境
前回はリスクや働きやすい職場環境についてお伝えしましたが、それでは具体的に離職を防ぐためには何が必要なのでしょうか?
キーとなるのは労働条件と労働環境の改善にあります。
『採用のミスマッチをなくそう』
ミスマッチは、早期離職や本人のパフォーマンス、さらには一緒に働いている訪問看護師のパフォーマンスまでも下がってしまう恐れがあります。
採用時のミスマッチを防ぐよう注意しましょう。
『正しい評価を行おう』
訪問看護師の方の中には、精神科訪問看護・小児科訪問看護など新たな分野に挑戦しようとしている方や、認定看護師や専門看護師などの資格をお持ちの方など、高いモチベーションを持ったスタッフもいます。
そういった方の評価が正当ではないと、たとえ給料が良くても離職の原因となってしまいます。
評価基準を明確に、また、昇進や昇給の基準をはっきりと示す事はとても大切です。
評価基準が定まっていれば、昇進・昇給が一つの目標となり、社員のモチベーション維持にもつながっていきます。
『給与を見直そう』
スタッフの働きに給与がそぐわない場合、当然のことですが、本人は「自分が正しく評価されていない」と感じ、より良い条件を求めて離職してしまうケースが多くなってしまいます。
給与の増額はスタッフのモチベーションにとって大きく関わることでもあり、キャリアアップと合わせて取り組むべき課題の一つです。
給与ではなくとも、住宅手当、子ども手当などの福利厚生を充実させるなど対応でスタッフの生活を考えた対応を行うことも離職防止に役立ちます。
『コミュニケーションを改善しよう』
職場内の人間関係やコミュニケーションに何か問題があってスタッフ同士の連携がうまく取れていない場合は、その環境を改善する必要があります。
日常的な会話をするというよりも、スタッフの本音を聞き取れるような工夫をもって接することが大切です。
面談の機会を増やす、アンケートやストレスチェックシートを用いるなどスタッフの真意をくみ取ろうという姿勢を取ることが重要です。
『労働時間を改善しよう』
長時間労働や休日出勤、サービス残業などが一般化してしまっている場合は、すぐに改善するべきでしょう。
管理職には、スタッフの休暇取得の状況や労働時間などにも気を配って、過剰な勤務となっていないかを判断することが求められます。
スタッフの自己申告では難しいという部分もあるので、タイムカードを導入したり、勤怠管理システムを導入するなど検討することも改善方法のひとつです。
『作業環境を改善しよう』
作業環境を整えて、日々の業務の効率などを見直すことも重要なポイントです。
電子カルテの導入や、職場のICT化を図るなど設備投資を行うことも方法の一つです。
ICT化することで、書類作成の手間も減り業務負担の軽減・労働時間短縮につながります。
まとめ
最も重要なことは、スタッフのことを考えて職場を改善していこうという姿勢をとることです。
そういった姿勢が見えていれば、おのずとスタッフの本心なども聞くことができる職場になっていくでしょう。