利用者獲得は大きな課題
新規開設の場合はもちろんですが、経営規模の拡大や機能強化、経営の安定化を考えている訪問看護事業所にとって利用者獲得は最大の課題となります。
平成30年度の診療報酬改定において『急性期一般入院料1』『地域包括ケア病棟入院料』『回復期リハビリテーション病棟入院料』を算定する為の要件として「在宅復帰率」がというものが求められるようになりました。
入院している病棟から在宅へ退院する利用者が一定人数以上いないと入院基本料の算定ができないため、病院は積極的に「在宅」への退院を進めています。
病院を退院後も在宅療養を必要とされる方は増えており、そのような方々にサービスを提供していくのが訪問看護事業ですが、訪問看護は「依頼」があって初めて成立するため、まずはその新規の依頼を頂く必要があります。
今回はそんな利用者獲得の為の営業戦略についてご紹介します。
目指すステーション像
「どんなステーションになっていきたいか」、営業戦略には市場を把握し、サービスを提供するターゲットを明確化するというマーケティングが重要です。
運営するステーションの得意分野や強みをはっきりさせ、そういったサービスを必要としている利用者へと繋がるよう働きかけていくことが大切です。
「セラピストが多く所属しているので生活機能の維持に特化したステーションである」や、「緩和ケア専門の看護師が多く、終末期や在宅での看取りに強いステーションである」など特色や積極的に行っている看護ケアなど、今後のステーションの目指す方向性が明確であればターゲットを絞った営業を行うことができます。
利用者はどこから?
どういった利用者にケアサービスを利用して欲しいのかによって営業を行う先は変わってきます。
急性期の治療を終え、医療依存度の高い状態で在宅療養される利用者であれば「病院の退院支援室」など。
生活機能を維持しつつ、長く自宅で暮らしたいという利用者であれば「居宅支援事業所、診療所」など。
緩和ケアを在宅で希望される利用者は「緩和ケア病棟のある病院」から。
といったように依頼される先が違ってきます。
ケアマネージャーに「こちらは緩和ケアを得意としてるステーションなので、希望されている方がいらっしゃればご依頼ください」と伝えることが出来れば、依頼する側は選択肢として明確で選びやすくなります。
また、チラシやパンフレットなどを制作する際にその旨を記載し、営業ツールとして利用することもできます。
主治医と連携し報告書を届けるといった時もアピールをすることは大事です。
営業専門のスタッフがいるステーションは多くないと思われますが、日頃の業務の中でちょっとしたアピールを続けていくことも効果があります。