訪問看護ステーションの営業活動
訪問看護ステーションは、地域の医療・介護関連の事業所に対して、自身のステーションを知ってもらう為に営業活動を行います。
営業先とその特徴
訪問看護ステーションの主な営業先は
①地域包括支援センター
②居宅介護支援事業所
③地域医療連携室
④クリニック・訪問診療所などの医療機関
などです。
①地域包括支援センター
地域包括支援センターは、各市町村を地区で分けて設置される介護、医療、保健、福祉などの総合的な側面から高齢者を支える窓口で、以下の特徴があります。
介護予防ケアプランの作成
―――介護保険の「要支援1・2」に該当する利用者のケアマネージャー業務を行っています。
オレンジカフェの運営
―――地区の認知症の方やそのご家族・地域で暮らす方が集まり、介護予防や講義を受ける「認知症サポーター養成講座」や、一緒に体操したりするオレンジカフェを運営しています。
介護サービスへの高い知識
―――保健師・看護師、社会福祉士、ケアマネージャー、リハスタッフなどの専門職員が、様々な視点で利用者の在宅生活をアセスメントしています。
②居宅介護支援事業所
ケアマネージャーが常駐し、介護認定を受けた利用者のケアプランを作成したり、通所リハビリテーション、訪問看護、訪問介護などの介護・看護サービスを提供する事業所の紹介を行っています。
ケアマネジメント
―――訪問看護ステーションへの相談や依頼のほとんどは、居宅介護支援事業所のケアマネージャーから受けることになります。
ケアマネージャー1人当たり、35名程の利用者を担当しており、その多くは、「要介護1~5」の利用者です。
地域包括支援センターから委託され、「要支援1・2」の利用者を担当していることもありますが、ケアマネージャーによって、訪問看護に関する知識にばらつきがあり、ケアマネージャーになって日が浅く、訪問看護を利用したことのない方もいます。
③地域医療連携室
地域医療連携室では、利用者が病院退院後に自宅や転院先で安心して療養できるよう、退院支援の看護師と医療ソーシャルワーカーが「退院先、介護保険、訪問看護、福祉用具など」様々な相談を受け付けています。
ソーシャルワーカーと看護師
―――地域医療連携室の医療ソーシャルワーカーは、通所介護や福祉用具など介護サービスの提案といった、社会福祉の視点で利用者の生活状況(お家の状況やご家族の協力など)を把握し、自立した生活のサポートを得意としています。
看護師は、医療処置の頻度や服薬管理など医療の視点から疾患の予後予測を行うことで、利用者の安心した生活をサポートします。
ただし、訪問看護の経験がある看護師はほぼ居ません。
小児や末期がん患者
―――医療保険での訪問看護利用が検討される小児・末期がん患者などの利用者については、直接訪問看護ステーションに相談や依頼が来ます。
④クリニック・訪問診療所などの医療機関
指示医となる医療機関と密接に連携することは、訪問看護ステーション運営に置いて重要なポイントです。
クリニック
―――外来診療を行っているクリニックの医師は、訪問看護に関する知識を知らないことが多いため、訪問看護ステーションに相談や依頼が来ることはあまりありませんが、従事する看護師から相談を受けることがまれにあります。
訪問診療所
―――訪問看護に関する知識を比較的持っている訪問診療医師とは、担当患者への訪問看護を依頼されたり、訪問看護ステーションから医師へ訪問診療の相談をするなど、業務上連携することが多くあります。
営業活動=きっかけ作り
上記4つの営業先などに営業活動を行うことで、運営する訪問看護ステーションの存在を知ってもらい、利用者さんや患者さんについて相談されるきっかけ作りになります。
それぞれの営業先の特徴やニーズを理解して営業戦略を立てることで、地域に根差した訪問看護ステーションを運営しましょう。