在宅ケア(訪問看護)認定看護師とは
在宅ケア(訪問看護)認定看護師(※以下在宅ケア認定看護師)は、ご自宅で療養生活をしている方や、これから在宅療養を始めたいと考えている方とそのご家族に安心して生活してもらえるように必要な医療・ケアを行う役割を持っています。
訪問看護での認定看護師は1983年に医療報酬での実施が認められた比較的新しい資格です。
訪問看護認定看護師資格は、2020年の改変で在宅ケア認定看護師という資格に名称も内容も変わりました。
在宅ケア認定看護師の資格取得
在宅ケア認定看護師の資格を取得するための条件は
・看護師として5年の経験があり、そのうち3年は訪問看護など在宅ケアに従事していること
在宅ケア認定看護師の資格を取得したいと考える看護師の方はこの条件に気を付けましょう。
ちなみに、”訪問看護認定看護師”の資格は、教育機関が2021年を持って閉校しているため取得することはできません。
何を学べる?
在宅ケア認定看護師の資格を取得すると様々なことを学べます。
・在宅療養者の主体性を尊重したセルフケア支援およびケースマネジメント看護技術の提供と管理
・生活の場におけるQOLの維持・向上とセルフケア支援
・対象を取り巻くケアシステムの課題に対する解決策の提案
・生活に焦点をあてた在宅療養移行支援及び多職種との調整・協働
・意思決定支援とQOLを高めるエンド・オブ・ライフケア
・身体所見から病態を判断し、気管カニューレの交換が安全にできる知識・技術
・身体所見から病態を判断し、胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換が安全にできる知識・技術
・身体所見から病態を判断し、褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去が安全にできる知識・技術
在宅ケア認定看護師の資格は、特定研修も併せて行われるため、資格者は特定行為を行うこともできます。
看護師が1人で利用者宅などを訪れ判断や対応することが求められる訪問看護において、医師からの指示待ちの間に時間をロスしてしまいがちですが、自身の判断ですぐに必要なケアを提供できるという点は大きなメリットです。
役割とメリット
『安全で的確な技術を提供できる』
経験の中で身に着けた知識や技術を利用者に還元していくことが最も大切です。
患者さんに安全で的確なケアを提供することはもちろんですが、日々のケアをされているご家族に負担はないかなど、メンタル面でのケアも行います。
利用者の異常や、ご家族の負担を早期に見極め適切な介入をすることが大切です。
『看護師への研修・技術の底上げ』
訪問看護を学校などで学ぶ機会を与えられたなかった看護師の方もいます。
また、在宅ケア認定看護師が全ての施設にいるわけではありません。
地域単位で訪問看護師への研修や勉強会を行い、地域の訪問看護の技術を底上げしていくということも認定看護師として大切な役割です。
『自分でステーション開設もOK』
培った技術を実践的に行うということはもちろんですが、それを活かして自分が訪問看護ステーションを開設・運営していくということも可能です。
訪問看護認定看護師資格を取得された方で、訪問看護ステーションを運営されているというケースは多くあります。
運営の代表としてスタッフの相談に乗り、新人看護師の指導を行い、訪問看護ステーションの利用者様が地域で安心して過ごしていけるように独自の体制を整えることもできます。