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人材教育

訪問看護で発生しやすい事故

起こり得る事故とは

訪問看護は、利用者宅で様々なケアを行うという特性上起こり得る事故の傾向にも特徴があります。

最も発生しやすい事故は怪我などの人身事故ですが、それ以外にも利用者宅にある物をあやまって壊してしまう、利用者宅やステーションへの移動中に交通事故にあってしまうといったことがあります。

このような事故を防ぐために看護師やステーション自体と利用者のどちらも注意することが大事です。

想定される事故と対策

【転倒・転落事故】
訪問看護で発生する事故の中で最も多いのがこの転倒・転落事故です。

訪問看護では屋外での歩行、屋内での移動、入浴の介助を行いますが、その際に発生した場合、骨折などの大きな怪我につながることもあります。

利用者の心身機能をしっかりと把握することが対策になります。

歩行が不安定だったり、めまいの症状をもった方に対しては、移動時に見守りを行うなどをします。

ステーション内外での情報共有も大切です。

【物損事故】
利用者宅に伺った看護スタッフが、利用者宅のものを壊してしまうといった事故が発生することがあります。

劣化していたものをたまたま壊してしまったり、誤ってものを倒して壊してしまったりという場合があげられます。

必要最低限のもの以外には触れないということが対策になります。

【移動中の交通事故】
訪問看護師やスタッフは利用者宅へ自動車や自転車などで訪問しますが、その移動中に交通事故を起こすことも有り得ます。

また利用者宅の駐車場で車をこすってしまった、というケースもあります。

訪問看護で伺う利用者宅には住宅地など狭い道で車両を運転する必要などもあるため、社用車はコンパクトな車にするなど対策をするのも有効です。

また看護師自身は時間に余裕を持ったコース、スケジュールで訪問できるよう工夫することが事故防止につながります。

【医療機器取扱の事故】
医療機器を使用している利用者も多くいます。

例えば、在宅酸素療法、人工呼吸器、吸引器、人工肛門、人工膀胱などがそうですが、これらの医療機器の取り扱い方法を誤ってしまった場合、事故につながります。

事業者側にて医療機器の取り扱い方法を確認する勉強会などを定期的に開催することが大切になります。

【医療ケア中のミス】
訪問看護師は様々な医療ケアを提供することになりますが、そのケアをミスしてしまうことで事故が発生するケースもあります。

具体的にはチューブ挿入のミス、お風呂や熱したタオルの温度設定ミスによるやけど、注射のエラーなどが想定されます。

ケアを統一して行うことができるようにマニュアルを作成することが対策になります。

【感染】
感染も医療事故のひとつです。

例えばダニを利用者宅に持ち込んでしまったり、新型コロナウイルスの感染を広めてしまうといったケースなどが考えられます。

持ち込まない・持ち帰らないを基本に、手洗い、消毒、マスク、ルームシューズを着用するなど状況に応じて対策を取りましょう。