人材教育の重要性
訪問看護ステーション運営においてサービスの質を向上させることは、地域での事業所の有用性を高め、競合との差文化を図り、ひいては新規利用者の獲得へとつながる重要なことです。
スタッフの教育は、利益獲得の為に欠かせない課題となりますが、異業種から訪問看護事業に新規参入した場合、どのようなスタッフ教育を行えばいいのかわからないかもしれません。
この記事で実際の訪問看護ステーションではどのような教育を行っているのかを知ってもらい、運営する事業所へ活用して頂ければと思います。
訪問看護スタッフの教育
訪問看護スタッフの教育で利用できる方法は以下のようなものがあります。それぞれ個別にご説明します。
①研修会への参加
②eラーニング
③マニュアルの活用
④アセスメント
⑤同行訪問
①研修会への参加
各都道府県や自治体の訪問看護事業協会などでは、定期的に研修会やセミナーを行っています。
基礎的な内容から管理者向けの内容まで様々な研修会を行っており、参加費が無料のものも有りますので、ぜひ参加しましょう。
新型コロナウイルス(covid-19)感染症対策の為、ミーティングアプリを使用してのオンライン研修会を行う場合が増えています。
参加予約時などに確認しましょう。
②eラーニング
そもそもeラーニングとは、インターネットを利用した学習形態のことで、パソコン、タブレット、スマートフォンなど各デバイスで時間や場所を問わず学習を行えるため、一般の企業でも研修に活用されています。
訪問看護事業では各都道府県の看護協会などで基礎的なことが学べるeラーニングを実施しており、修了すると日本訪問看護財団から修了証書が発行されます。
申込期間や受講期間などは事前に確認しましょう。
③マニュアルの活用
各都道府県の福祉局や訪問看護協会では看護・介護事業向けの様々なマニュアルを配布しています。
例えば、東京都福祉保健局では、訪問看護における『同行訪問』に関するOJTマニュアルなどを配布しております。
地域のマニュアルを有効に活用しましょう。
④アセスメント
訪問看護におけるアセスメントとは、利用者の身体の状態を客観的に把握するフィジカルアセスメントのことを言います。
新規利用者の訪問看護を始める際は、アセスメントシートを利用すると便利です。
利用者の身体の状況、ご家族の介護への関わり方や訪問看護の目標などをまとめることで、より質の高いサービスを提供することができます。
このアセスメントシートは日本看護協会のサイトからダウンロードすることもできます。
看護師が利用者を訪問し、バイタルチェック、視診、触診や問診に基づいて病状や健康状態を判断するフィジカルアセスメント能力を身に着けるには、臨床経験を積むことが重要となります。
訪問看護のアセスメントには、利用者の訴えを読み取るコミュニケーションなども要求されますが、療養病棟や急性期病棟で経験を積んだ看護師はこの能力が高いといえます。
⑤同行訪問
多くの訪問看護ステーションが、新人看護師の教育に先輩看護師と一緒に利用者を訪問し、指導をしながら医療やケアサービスを提供する「OJT(On the Job Training)研修」を行っています。
チームとなって実際の仕事を行うので、新人スタッフはもちろん利用者、ご家族ともに安心して研修を行うことができます。
まとめ
上記で紹介した以外にも、マナー研修や移動車両の安全講習などを定期的に行うことで、スタッフを高い能力をもった人材に成長させることができるでしょう。