気付きにくい心不全
高齢化社会である日本において、心不全患者が増加傾向にあります。
心不全の主な症状として、浮腫(むくみ)、息切れ、呼吸困難などがあげられますが、高齢の心不全患者は自覚症状が無く初期症状に気付くことが出来ず、急に症状が悪化し、再入院してしまうケースが多くあります。
今回は心不全による再入院を防ぐためのケアとはいったいどういったものかを考えましょう。
そもそも心不全とは
何らかの異常によって心臓のポンプ機能が低下してしまい、全身に十分な血液を送り出すことが出来なくなってしまった状態を心不全といいます。
高齢になれるにつれ心不全を患う率が高くなり、今後も患者数は増える見込みで、地域包括のケアが求められます。
訪問看護師にできること
心不全の急性憎悪(急な症状の悪化)を引き起こす要因として、水分や塩分の制限が出来ていない、お薬の管理不足、無理な活動による過労などがあります。
訪問看護師としては、病院などから在宅ケアに戻った心不全患者の食事や飲み物の水分・塩分をしっかりコントロールすることが求められます。
お家に戻ったことで、どうしても好きなものを食べてしまう患者さんが多く、過剰な塩分摂取をしてしまいがちになります。
在宅での日常生活に隠れた心不全再発リスクを事前に発見し、医師や訪問介護士など各所と連携をとり、的確な指示のもとで管理するということが、訪問看護師・ステーションの重要な役割になります。
年だから…に注意
心不全の症状として引き起こされるものには、
・心臓の収縮機能低下によって血液が全身の臓器に十分いきわたらず起こるもの
・心臓の拡張機能低下によって血液がうっ滞することによっておこるもの
上の二種類があります。
血液が体に十分に行き渡らないと、疲労感、不眠、冷えなど
血液がうっ滞すると、むくみ、息切れ、呼吸困難などがあります。
どれも重要なサインですが、高齢者の場合「年のせいかな」と見落としがちになってしまいます。
訪問看護師として適切なアセスメントを行い、関係事業所や医師などとタイムリーに連絡を取れるよう各種ツールなどを整備しておくことが大切です。