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人材教育

コミュニケーションに雑談を取り入れよう【アセスメントにつながる会話】

訪問看護師のコミュニケーション

訪問看護師として利用者やそのご家族を多角的にサポートするために、より効率的で効果的なコミュニケーションをとりましょう。

会話を通して信頼関係を築き、さらにはそれをアセスメントにつなげることは訪問看護サービスを提供するうえで大変重要です。

訪問看護師に必要なスキル

基本的な看護の技術・知識はもちろん、観察力、アセスメント力、創造力の他、コミュニケーション能力はとても重要です。
利用者の生活を中心とした看護ケアを提供するという性質上、失礼にならないよう近すぎず遠すぎず、適度な距離感のコミュニケーションを取るよう気をつけましょう。

限られた時間のなかで利用者の療養環境を観察して、利用者の全てを知ることは難しく、コミュニケーションの中で足りない部分を補うことが重要になります。
楽しい会話をするというよりは、利用者やご家族の気持ちを受け取り、理解を深め、フィードバックするよう意識しましょう。

コミュニケーションにつまずかない為に

以下に、訪問看護師としてつまずきやすいコミュニケーションシーンを紹介します。

立場や知識の違い
医療従事者と利用者という立場の違い、知識の違いは理解や食い違いにつながりやすいといえます。
訪問看護師は医療の専門用語を日常的に使用し、その理解もできますが、利用者やそのご家族が同じ程度の理解をできるわけではありません。

時間が確保できない
ケアサービスに時間を割くあまり、十分なコミュニケーションを取れないまま訪問時間が終わってしまうということもあります。

利用者の心の壁
利用者にも、話すのが好きな方、あまり積極的では無い方など様々な性格の方がいらっしゃいます。
また、緊張や遠慮などから必要な情報を聞き出すことが出来ないこともあります。

会話に役立つポイント

たとえお喋りが苦手でも、以下のポイントを抑えて工夫しながら会話をすることで充実したコミュニケーションをとることができるかもしれません。
ぜひ利用者の方へのアプローチに取り入れてみてください。

雑談
必要な情報を得ようと気を取られ過ぎて、体調や困りごとなどの質問攻めになってしまっては、利用者も答えづらくなってしまうでしょう。
一方で、人は信頼する相手には様々なことを自然と話せるものです。
なんでも話せる信頼関係を築くためにも、まずは雑談を通して利用者との心の距離を近づけましょう。

時間
訪問看護師自身が忙しそうに動き回っていたり、その雰囲気を出してしまうと、利用者は言いたいことを言いづらくなってしまうでしょう。
訪問時間は限られている為、コミュニケーションだけの時間を確保することは難しいかもしれませんが、意識するだけでも違います。
まずは5分だけでも時間を作れるようにしてみましょう。

共感
利用者には、疾患のこと、症状のこと、生活自体についてなど、多くの不満や悩み、気持ちなどを抱えています。
それらに耳を傾け、共感することを忘れないようにしましょう。
看護師として、否定したり訂正したくなる話もあるかもしれませんが、まずは利用者が話をしてくれたことに感謝して受け止めるよう心がけましょう。
聞くことを意識し、こちらから一方的に話すのではなく、利用者の話を引き出しましょう。

自己開示
こちらの気持ちや考えを開示することも大変重要です。
信頼関係を築くには、お互いを知り合うことが大切になります。
相手を知ることと、自分を知ってもらうこと、その両方を心掛けましょう。

わかりやすい言葉
療養を指導するうえで、特に危険なのが、立場の違いによる食い違いです。
専門用語をなるべく使わず、利用者やご家族が正しく理解できるような会話を気をつけましょう。

まとめ

利用者やご家族とのコミュニケーションを豊かにするための雑談においては、食べ物のこと、地域のこと、天候のことなどの話題から会話を広げていけるよう意識しましょう。