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人材教育

訪問看護のクレーム対応①【よくある原因】

クレームは必ずある

どのようなサービスを行う業種においても、利用者からのクレームというのは必ずといっていいほど発生してしまします。
もちろん訪問看護業界もその例外ではなく、クレーム対応をするスタッフにとってはストレスになりますし、場合によっては訪問看護事業所そのものの評価を大きく下げてしまうことにもつながります。
利用者の心の声でもあるクレームに適切に対応を行うことで、プラスへ転換するよう対応方法と予防について考えていきましょう。

よくあるクレームの原因

よくある訪問看護等医療関係業種のクレームは

①サービスが期待通りではない
②実施内容と利用料が見合わない
③時間に遅れる
④不愛想、説明が雑と感じる
⑤利用者のことを考えていないと感じる

以上の5つです。

これらは『①機能・品質欲求・②経済的欲求・③効率・便利性欲求・④愛情欲求・⑤尊厳欲求』という欲求から発生すると言われています。

①サービスが期待通りではない
当然のことですが利用者は質の高い医療や看護を要求しており、利用者の求める要求の期待を下回った時にクレームとなって届きます。
具体的には、注射が痛いなど技術が低いというご意見や、求めている情報が提示されない、安全面の対応が十分ではないといったご意見などです。
こういったクレームは、高度で安全な医療を提供してほしいという「機能・品質欲求」が満たされなかったときに発生します。
適切なサービスを提供しているとしても利用者にとって不満がある場合こういったクレームになることがあります。

②実施内容と利用料が見合わない
訪問看護で行うサービス内容は、契約している時間、利用者によって違ってきます。
点滴の施行をするなど、目に見えて分かるような看護介入をする場合もありますが、お薬の内服確認や体調の確認といった目には見えない介入の場合など利用者によっては何もしてもらっていないと感じクレームにつながってしまう場合があります。
何もしてくれないのにお金を払いたくないという「経済的欲求」が満たされなかったときに発生する代表的なクレームです。
利用者自身は訪問看護を必要と感じていないが、利用者のご家が族訪問看護を必要として導入している場合に多く寄せられるご意見です。

③時間に遅れる
利用者にも訪問看護師にもそれぞれのスケジュールがありますが、たとえば前の訪問先でトラブルが発生し、次の訪問に遅れが生じることもあります。
状況を説明しても、利用者の中にはその時間しか都合がつかないという場合もあり、結果としてクレームにつながってしまうことがあります。
『掃除や買い物をしてほしいのにしてくれない』といった「効率・便利性欲求」に基づくサービス外の要求をしてくるといったクレームもあります。

④不愛想、説明が雑と感じる
訪問看護師の訪問を楽しみにされている利用者もいますが、スタッフが冷淡な対応をしてしまい、大きな不満へとつながってしまうことがあります。
しっかり時間をとって丁寧に接してほしいという「愛情欲求」からくるもので、挨拶が雑だったり、不愛想、求めている説明が専門用語が多く分かりにくいなど、利用者のとらえ方にもよりますがしっかりと関係性を築けていない段階での言葉遣いや態度、相手の理解力を考慮していない説明などによって、こういったクレームにつながってしまいます。

⑤利用者のことを考えていないと感じる
自分の尊厳を非常に大事にされている利用者もいます。
そういった利用者が「尊厳欲求」を傷つけられたと感じた場合、大きなクレームとなってしまいます。
何度も訴えているが話を聞いてくれない、治療法・看護計画に納得できないといった場合など、利用者のことを大事に思ってくれていないと感じる態度や言動、利用者自身が納得できない時などこのようなクレームにつながってしまいます。

 

以上が訪問看護のよくあるクレーム5つの内容と原因です。
次回はクレームに合わせた対応と予防についてをご紹介します。